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さいたま市で一人暮らしを始めたんだけど…水道水ってそのまま飲んでいいのかな? 「埼玉はまずい県ランキングの上位」なんて見ちゃって、正直ちょっと不安で…
その不安、よくわかるよ。先に言うと、さいたま市の水道水は水道法で定められた基準に適合した水として届けられてる。この記事は、さいたま市と埼玉県の公式ページ、それに水質検査結果のPDFを直接開いて書いたよ。話題のランキングも元の調査まで開いて確かめたから、そこも正直に話すね。
先に結論をお伝えします。
さいたま市水道局は、水道水について「水道法で定められた基準に適合していますので、安心してご利用ください」と案内しています。
そのうえで、この記事はよくある「埼玉ageの記事」でも「埼玉sageの記事」でもありません。
「まずい」と言われる理由も、それが今どこまで改善の途中なのかも、公式の資料そのままでお伝えします。
2025年12月に実際に起きた水質基準の超過についても、市の発表のとおりに書きます。
- さいたま市の水道水がそのまま飲めると言える公式の根拠(令和7年度の実測値つき)
- 硬度は47〜77mg/L程度(軟水〜中硬水)。市全体の平均は65mg/Lだということ
- 「まずい県ランキング」の元になった調査の中身と、そこで確認できたこと
- 夏のかび臭の正体と、高度浄水処理が「いま改善の途中」だという正直な現状
- 2025年12月に起きた臭素酸の基準超過で、市が何をしたのか
- においが気になるときの対処(さいたま市の公式回答)と、お金をかける場合の選択肢
それでは、くわしく見ていきましょう。
目次
- 1.結論:さいたま市の水道水は、そのまま飲める(公式データ)
- 1.1.さいたま市は「水道法で定められた基準に適合」と案内している
- 1.2.さいたま市の水道水の硬度は47〜77mg/L程度(配水場ごとの平均・令和6年度)
- 1.3.市全体のまとめ(令和7年度)は、硬度の平均が65mg/L
- 1.4.「埼玉県」は水道の仕組みが二重構造になっている
- 2.さいたま市の水道水はどこから来るのか
- 2.1.昭和43年に県営水道からの受水を開始し、いまは河川水が主な水源
- 2.2.いまも自己水源の深井戸が残っている
- 3.「埼玉の水道水はまずい」ランキングの真相
- 3.1.よく引用される全国調査は、水質検査ではなく「おいしいと感じるか」の調査
- 3.2.埼玉県の調査では81.3%が満足、不満の理由の63.4%が「味やにおい」
- 3.3.夏のかび臭について、草加市が公式に説明している
- 4.高度浄水処理は「改善進行中」
- 4.1.いま高度浄水処理が動いているのは、新三郷浄水場
- 4.2.さいたま市に水を送る大久保浄水場は、いま工事中
- 4.3.きっかけは2012年の水質事故
- 4.4.それでも、いまの水は水質基準に適合している
- 5.2025年12月に起きた臭素酸の基準超過と、その後
- 5.1.12月16日採水の県水から0.019mg/Lが検出された
- 5.2.市は県からの受水量を抑え、自己水源の地下水を増やした
- 5.3.12月19日に基準未満、24日までの検査で不検出
- 5.4.健康について、さいたま市が書いていること
- 5.5.年度のまとめに載っている臭素酸の数字は、別に公表されている
- 6.それでも気になるときの対処
- 6.1.建物の貯水槽や給水方式
- 6.2.においが気になるときの、さいたま市の公式回答
- 7.おいしく飲む選択肢を、お金のかからない順に
- 7.1.まずは冷やす(0円)
- 7.2.浄水ポットを使う(月数百円)
- 7.3.手間をかけたくないなら浄水型ウォーターサーバー
- 8.まとめ:さいたま市の水道水はそのまま飲める。「まずい」は改善の途中
結論:さいたま市の水道水は、そのまま飲める(公式データ)
さいたま市で暮らす人が水道水をそのまま飲むことは、水道事業者の案内をふまえると問題ないと考えられます。
なぜなら、さいたま市の水道水は、水道法が定めた水質基準に適合した水として供給されているからです。
さいたま市は水質検査結果を年度ごとに公開していて、そのページにこう書いています。
「水道法で定められた基準に適合していますので、安心してご利用ください。」
*さいたま市「水質検査結果(年度別)」から抜粋(2026年8月2日確認)
先に、この記事の立ち位置をはっきりさせておきます。
この記事の筆者はさいたま市に住んでおらず、現地の蛇口から水を飲んで確かめたわけではありません。
書いているのは、公式に公開されている数字と原文だけです。
まずは、さいたま市の水道水が「飲める」と言える基本データを整理しました。

ここから、その中身を「検査」「硬度」「事業者の仕組み」の3つに分けて見ていきます。
さいたま市は「水道法で定められた基準に適合」と案内している
1つ目のポイントは、さいたま市の水道水がきびしい検査を通っているということです。
さいたま市は、市内の浄水場・配水場ごとに水質検査を行い、その結果を年度ごとにPDFで公開しています。
令和6年度の「浄配水場別水質検査結果」は、それだけで全38ページあります。
*さいたま市「令和6年度 浄配水場別水質検査結果」(全38ページ)から抜粋(2026年8月2日確認)
この記事は、そのPDFと市の公式ページを開きながら書いています。
そして市は、検査結果のページで「水道法で定められた基準に適合していますので、安心してご利用ください」と案内しています。
*さいたま市「水質検査結果(年度別)」から抜粋(2026年8月2日確認)
ここは当ブログの評価ではなく、市の公式ページに書かれている文章そのままです。
さいたま市の水道水の硬度は47〜77mg/L程度(配水場ごとの平均・令和6年度)
2つ目のポイントは、さいたま市の水道水が「軟水」から「中硬水」の範囲だということです。
硬度の区分には、WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインを使います。
札幌市水道局が紹介しているこの区分では、0〜60mg/L未満が「軟水」、60〜120mg/L未満が「中硬水」、120〜180mg/L未満が「硬水」、180mg/L以上が「超硬水」の4段階に分かれます。
*札幌市水道局「水質トピックス(水質相談)」から抜粋(2026年8月27日確認)
令和6年度の浄配水場別の検査結果には、市内19か所の浄水場・配水場ごとの硬度の平均値が並んでいます。
その数字を全ページ確認して集計すると、いちばん低い配水場で47mg/L、いちばん高い配水場で77mg/Lでした。
*さいたま市「令和6年度 浄配水場別水質検査結果」(全38ページ)を当ブログが全ページ確認して集計(2026年8月2日確認)
硬度というのは、水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を表した数字です。
国の基準では、硬度(カルシウム、マグネシウム等)は300mg/L以下と決められています。
*環境省「水質基準項目と基準値(52項目)」から抜粋(2026年8月2日確認)
47〜77mg/Lというのは、基準の300mg/L以下を大きく下回る数字です。
硬度が低い水はクセが少なく、口当たりがまろやかに感じられると言われています。
ここで正直にお伝えすると、同じさいたま市の中でも、配水場によって数字に差があります。
47の配水場と77の配水場では、1.6倍ほどの開きがあることになります。
お住まいのエリアの数値を知りたいときは、この浄配水場別のPDFで、自宅に近い配水場の名前を探すのがいちばん確実です。
市全体のまとめ(令和7年度)は、硬度の平均が65mg/L
配水場ごとの数字とは別に、さいたま市は市全体をまとめた水質のデータも公開しています。
こちらが最新の令和7年度の数字です。
項目 | 基準 | 最高 | 最低 | 平均 |
|---|---|---|---|---|
カルシウム、マグネシウム等(硬度) | 300mg/L以下 | 84 | 47 | 65 |
蒸発残留物 | 500mg/L以下 | 184 | 113 | 149 |
pH値 | 5.8以上8.6以下 | 7.8 | 7.0 | 7.3 |
臭素酸 | 0.01mg/L以下 | 0.004 | 0.001未満 | 0.001未満 |
総トリハロメタン | 0.1mg/L以下 | 0.044 | 0.001未満 | 0.019 |
*さいたま市「さいたま市の水道水質(令和7年度)」から抜粋(2026年8月2日確認)
ここで、2つの硬度の数字を混同しないように整理しておきます。
さきほどの47〜77mg/Lは、令和6年度の「配水場ごとの平均値」を並べた範囲です。
いっぽう、この表の47〜84mg/Lは、令和7年度に市全体で測ったすべての数字の最低と最高です。
切り口が違う数字なので、当ブログでは2つを混ぜずに、それぞれの出典つきで並べておきます。
そのうえで、市全体の平均は65mg/Lでした。
表のほかの項目も見ておきます。
蒸発残留物は113〜184mg/Lで、基準の500mg/L以下の内側です。
pH値は7.0〜7.8で、ほぼ中性の範囲に収まっています。
総トリハロメタンは平均0.019mg/Lで、基準の0.1mg/L以下を下回っています。
これらの基準値は、国が定めたものです。
*環境省「水質基準項目と基準値(52項目)」から抜粋(2026年8月2日確認)
表の中に「臭素酸」という項目があることに気づいた人もいると思います。
この項目については、2025年12月に実際に起きたできごとがあります。
記事の後半で、市の発表そのままに整理します。
「埼玉県」は水道の仕組みが二重構造になっている
3つ目は、この記事でいちばん誤解されやすい大事な話です。
じつは、埼玉県には「埼玉県の水道局が全家庭に水を配る」という一律の仕組みはありません。
埼玉の水道は、大きく2段階に分かれています。
まず、埼玉県の企業局が運営する「県営水道」が、県内5か所の浄水場で水をつくります。
県営水道はその水を、いわば水の卸問屋として、各市町に供給しています。
埼玉県の説明では「令和5年3月31日現在、県内5か所の浄水場から茨城県五霞町を含む58市町(55団体)に対し、一日平均約174万立方メートルの水道用水を供給しています」となっています。
*埼玉県「埼玉県水道用水供給事業(県営水道)」から抜粋(2026年8月2日確認)
そして、水を受け取った各市町の水道事業者が、各家庭の蛇口まで届けています。
さいたま市も、この「水を受け取って家庭に配る」側です。
そのため、この記事のデータはさいたま市のものです。さいたま市以外にお住まいの方は、お住まいの市町の水道事業者の公式サイトで最新情報を確認してください。
同じ埼玉県内でも、市町が違えば水質検査の結果も、公表しているページも別だからです。
えっ、埼玉県って県が全部やってるんじゃないんだ…?
そうなんだ。県が作った水を市町が買って、そこから各家庭に配ってるんだよ。だから「埼玉の水道水は?」って質問は、ほんとは「どの市町ですか?」って聞き返さないと答えられないんだよね。
他の地域の水道水と比べたい方は、同じ切り口でまとめた記事もあります。
▶ 東京の水道水は飲める?水道局の公式データと「まずい」の正体
さいたま市の水道水はどこから来るのか
次に、そもそもこの水がどこから来ているのかを見ていきます。
ここを知っておくと、後半の話がぜんぶつながります。
さいたま市は「さいたま市の水道水源」というページで、自分たちの水がどこから来るのかを説明しています。
昭和43年に県営水道からの受水を開始し、いまは河川水が主な水源
いまのさいたま市の水は、主に川の水です。
市はこう説明しています。
「河川水が主な水源となっています」。
その河川水は、市の説明では「利根川上流と荒川上流に降った雨をダムに貯えたもの」です。
そして、その水を浄水しているのが「埼玉県大久保浄水場・庄和浄水場」だと書かれています。
*さいたま市「さいたま市の水道水源」から抜粋(2026年8月2日確認)
ここで面白いのは、昔からそうだったわけではない、という点です。
市の説明によると、かつてのさいたま市は「豊富な地下水を汲み上げ給水」していました。
それが変わったきっかけも、市のページに書かれています。
「地盤沈下ならびに水需要の急増に対応するために」、河川水が主な水源になったという説明です。
そして市は「昭和43年に埼玉県営水道から受水を開始しました」と書いています。
*さいたま市「さいたま市の水道水源」から抜粋(2026年8月2日確認)
つまりさいたま市は、地下水の街から、川の水の街へ切り替わった街だということです。
地面が沈むほど地下水を使い、人が増えて水が足りなくなり、県から水を買うようになった。
その歴史が、いまの蛇口の水につながっています。
いまも自己水源の深井戸が残っている
ただし、地下水がゼロになったわけではありません。
市は自己水源について「深井戸から取水」していると説明しています。
*さいたま市「さいたま市の水道水源」から抜粋(2026年8月2日確認)
県から買う水と、自分の井戸から汲む水。
さいたま市は、この2つを持っている街です。
正直に補足しておくと、この2つが何割ずつなのかは、市のページには書かれていませんでした。
ネット上には比率を書いている情報もありますが、市の公表資料で確認できないため、この記事では割合を書きません。
そのかわり、覚えておいてほしいのは「自己水源が残っている」という事実です。
この事実が効いてくる場面が、2025年12月に実際にありました。
そこは記事の後半で見ていきます。
「埼玉の水道水はまずい」ランキングの真相
ここからは、「まずい」という感想そのものに向き合います。
結論から言うと、ネットで見かける「まずい県ランキング」は水質検査の順位ではなく、人に感想を聞いた意識調査がもとになっています。
その一方で、埼玉の水に「味やにおいへの不満」が一定数あるのも事実です。
この章では、その両方を公式の資料で見ていきます。
よく引用される全国調査は、水質検査ではなく「おいしいと感じるか」の調査
ランキングを見かけたとき、まず確かめてほしいことがあります。
それが水質検査の数値なのか、人に聞いたアンケートなのか、という点です。
水道水のおいしさについて、全国規模でよく知られている調査があります。
パナソニック株式会社が2024年1月に実施した全国調査です。
調査の中身はこうなっています。
- 調査方法…インターネット調査
- 対象…20歳〜59歳
- 人数…計4,700人(各都道府県100人)
- 時期…2024年1月
*パナソニック株式会社「【水道水に関する全国調査】水道水をそのまま飲んでいる人が最も多いのは青森県。水道水が美味しいランキングも発表。」から抜粋(2026年8月2日確認)
そしてこのリリースには、「水道水がおいしいと感じない」と答えた人の割合が高い都道府県として、次の3県が挙げられています。
- 1位 沖縄県…75.0%
- 2位 千葉県…71.0%
- 3位 大阪府…62.0%
*パナソニック株式会社「【水道水に関する全国調査】水道水をそのまま飲んでいる人が最も多いのは青森県。水道水が美味しいランキングも発表。」から抜粋(2026年8月2日確認)
ここで正直に書いておきます。
当ブログがこのリリースを開いて確認した範囲では、公表されていたのは上位3位までで、埼玉県が何位なのかまでは確認できませんでした。
つまり、順位つきで「埼玉は◯位」と紹介されているのを見かけたら、その順位がどの調査のどの数字なのかを、いちど確かめたほうがいいということです。
そしてもう1つ大事なのは、この調査が水質検査の結果ではないという点です。
20歳から59歳の人に「おいしいと感じるか」を聞いた、感想の集計だということになります。
ランキングって、水を検査した順位じゃなかったんだ…!
そう。「飲んで安全か」と「味が好みか」はまったく別の話なんだよ。安全のほうは検査結果を見る、味のほうはアンケートを見る。分けて考えるのがコツだね!
埼玉県の調査では81.3%が満足、不満の理由の63.4%が「味やにおい」
感想の話をするなら、埼玉県自身がやっている調査のほうが参考になります。
埼玉県は、県政サポーターを対象にした簡易アンケートで「水道に関する意識調査」を行っています。
令和3年5月27日から6月2日にかけて実施された調査には、2,219人が回答しました。
水道水の飲用について満足しているかを聞いた結果は、こうなっています。
- 「満足している」…31.1%
- 「どちらかといえば満足している」…50.2%
- 合計…81.3%
*埼玉県「第183回簡易アンケート『水道に関する意識調査』の結果を公表しました。」から抜粋(2026年8月2日確認)
8割以上が満足と答えている、という結果です。
ところが、同じ調査で不満と答えた人の理由を見ると、内訳はこうなります。
- 「水道水の味やにおい」…63.4%(最も多い)
*埼玉県「第183回簡易アンケート『水道に関する意識調査』の結果を公表しました。」から抜粋(2026年8月2日確認)
この2つの数字が、埼玉の水の実像をよく表しています。
8割以上が満足と答えている一方で、不満の理由のいちばんは「味やにおい」だということです。
では、その「味やにおい」の正体は何なのか。
ここも、県内の公式ページに答えが書かれていました。
夏のかび臭について、草加市が公式に説明している
これをいちばんわかりやすく説明しているのが、埼玉県草加市のよくある質問(FAQ)です。
先に断っておくと、これはさいたま市ではなく、同じ埼玉県内の草加市の説明です。
草加市は「水道水からカビ臭さを感じるのはなぜですか」という質問に、こう答えています。
「草加市の水源は、河川、井戸水を水源としています。夏期に水温が上昇してくると、河川水中の藍藻(ランソウ)類や微生物の活動が活発となり、水にカビや墨汁のような臭いを付けることがあります。」
*草加市「水道水からカビ臭さを感じるのはなぜですか」から抜粋(2026年8月2日確認)
夏に川の水温が上がると、水の中の藍藻類などの活動が活発になり、カビや墨汁のようなにおいがつくことがある、という説明です。
これは、大きな川を水源にする地域で夏に話題になりやすい現象です。
そして草加市は、その対応についてもこう書いています。
「この対応は、埼玉県営の浄水場が、活性炭及びオゾンなどの高度浄水処理によって行っています。」
*草加市「水道水からカビ臭さを感じるのはなぜですか」から抜粋(2026年8月2日確認)
ここで「高度浄水処理」という言葉が出てきました。
じつは、この高度浄水処理が埼玉県内でいまどこまで進んでいるかには、大きな差があります。
ここは埼玉のいちばん正直に伝えたいポイントなので、次の章でくわしく見ていきます。
高度浄水処理は「改善進行中」
結論から言うと、埼玉の高度浄水処理は、すでに全部の浄水場で完了しているわけではなく、いままさに導入を進めている途中です。
良い面だけでなく「まだ途中」という現実も、公式の資料のままお伝えします。

いま高度浄水処理が動いているのは、新三郷浄水場
まず、高度浄水処理とは何かを一言で。
これは、ふつうの浄水処理に「オゾン」と「生物活性炭」の工程を加えた方法です。
埼玉県は、新三郷浄水場についてこう説明しています。
「平成22年4月にオゾン酸化と生物活性炭吸着処理を組み合わせた高度浄水処理施設が稼働しました」。
*埼玉県「新三郷浄水場」から抜粋(2026年8月2日確認)
平成22年4月は、2010年4月にあたります。
県営水道の5つの浄水場の中で、先に高度浄水処理が動き出したのが新三郷浄水場だということです。
ただし、新三郷浄水場の施設能力は1日あたり365,000立方メートルです。
*埼玉県「県営浄水場の概要」から抜粋(2026年8月2日確認)
県営水道全体で見ると、これは一部にあたります。
さいたま市に水を送る大久保浄水場は、いま工事中
ここで、前半の話が効いてきます。
さいたま市の河川水を浄水しているのは「埼玉県大久保浄水場・庄和浄水場」でした。
*さいたま市「さいたま市の水道水源」から抜粋(2026年8月2日確認)
つまり、さいたま市に住んでいる人にとっては、大久保浄水場がいちばん身近な浄水場です。
その大久保浄水場は、県営水道の中でも規模が違います。
施設能力は1日あたり1,300,000立方メートルで、5つの浄水場の中で最大です。
*埼玉県「県営浄水場の概要」から抜粋(2026年8月2日確認)
埼玉県は、この大久保浄水場について「15市1町の約400万人に利用されている」とも説明しています。
*埼玉県「浄水場のあらまし」から抜粋(2026年8月2日確認)
その大久保浄水場に、いま高度浄水処理施設をつくっている最中です。
埼玉県企業局は、進捗を公開しているページでこう書いています。
「将来にわたり水質基準に適合した安全な水を供給するために」施設を整備しており、令和8年7月時点で「主要施設(オゾン製造棟・オゾン接触池・生物活性炭吸着池)の工事を進めています」。
*埼玉県「大久保浄水場高度浄水処理施設整備事業の進捗状況等について」から抜粋(2026年8月2日確認・ページの掲載日は2026年7月31日)
埼玉県の事業評価によると、この事業(大久保浄水場・吉見浄水場)の工期は令和4年度から令和12年度、総事業費は約1,000億円(税込)とされています。
*埼玉県「事業評価(令和3年度実施)高度浄水処理施設整備事業(大久保浄水場・吉見浄水場)」から抜粋(2026年8月2日確認)
あわせて整備が進む吉見浄水場は、令和12年度(2030年度)の完成予定とされています。
*埼玉県「事業評価(令和3年度実施)高度浄水処理施設整備事業(大久保浄水場・吉見浄水場)」から抜粋(2026年8月2日確認)
残る行田浄水場と庄和浄水場については、整備の時期を当ブログでは確認できませんでした。
ここは分からないまま、正直に書いておきます。
きっかけは2012年の水質事故
「そもそも、なぜ今ごろ工事しているの?」と思うかもしれません。
全ての浄水場に高度浄水処理を入れる方針を固めるきっかけになった出来事があります。
2012年(平成24年度)、利根川水系で「ホルムアルデヒド」という物質による水質事故が起きました。
このとき、利根川から取水する行田浄水場は送水を停止しています。
いっぽうで、すでに高度浄水処理を導入していた新三郷浄水場の水からは、この物質は検出されませんでした。
*埼玉県「事業評価(令和3年度実施)高度浄水処理施設整備事業(大久保浄水場・吉見浄水場)」から抜粋(2026年8月2日確認)
この経験が、全ての浄水場に高度浄水処理を導入していく方針につながりました。
ただ、その後は地震・停電への備えが優先され、高度浄水処理の整備はすぐには進みませんでした。
そして2020年代に入って、大久保・吉見の整備が本格的に動き出した、という流れです。
それでも、いまの水は水質基準に適合している
ここまで読むと「まだ途中なら、飲んで大丈夫なの?」と不安になるかもしれません。
ここが二段構えの大事なところです。
高度浄水処理はまだ全ての浄水場には入っていませんが、それでも、さいたま市は「水道法で定められた基準に適合していますので、安心してご利用ください」と案内しています。
*さいたま市「水質検査結果(年度別)」から抜粋(2026年8月2日確認)
令和7年度の市全体のまとめでも、硬度・蒸発残留物・pH値・臭素酸・総トリハロメタンは、いずれも基準の内側の数字でした。
*さいたま市「さいたま市の水道水質(令和7年度)」から抜粋(2026年8月2日確認)
つまり、「基準に適合しているか」という基本のラインは、いまも検査で管理されています。
そのうえで、「夏のにおいをもっと減らす」ための高度浄水処理が、これから広がっていく——という段階です。
この点が、すでに高度浄水処理を完了させた大阪との大きな違いです。
大阪は「昔まずい→もう解決済み」という過去形の話ですが、埼玉は「いま改善の途中」という現在進行形の話、というわけです。
大阪がどう“逆転”したのかを知ると、埼玉のこれからもイメージしやすくなります。
▶ 大阪の水道水はまずい?飲める?高度浄水処理の実力を公式で検証
2025年12月に起きた臭素酸の基準超過と、その後
ここからは、2025年12月に実際に起きたできごとを、市の発表そのままで整理します。
さいたま市は「埼玉県大久保浄水場の県水における臭素酸の水質基準超過への対応について」というページで、経過を公開しています。
不安をあおるためではなく、起きたことと市の対応を、原文のまま並べておくためのパートです。
12月16日採水の県水から0.019mg/Lが検出された
市の発表では、経過はこうなっています。
採水は令和7年12月16日(火曜日)18時00分。
報道されたのは翌12月17日(水曜日)13時00分です。
何が起きたのかについて、市はこう書いています。
「臭素酸が国の定めた水質基準値(0.01mg/L以下)を超える濃度(0.019mg/L)で検出された」。
*さいたま市「埼玉県大久保浄水場の県水における臭素酸の水質基準超過への対応について」から抜粋(2026年8月2日確認)
臭素酸の水質基準値0.01mg/L以下は、国が定めた基準です。
*環境省「水質基準項目と基準値(52項目)」から抜粋(2026年8月2日確認)
検出されたのは、埼玉県大久保浄水場の県水です。
市の発表によると、この県水はさいたま市内の東部・西部・南部・北部・尾間木・白幡・深作・大宮・新都心・馬宮などの配水場へ供給されていました。
*さいたま市「埼玉県大久保浄水場の県水における臭素酸の水質基準超過への対応について」から抜粋(2026年8月2日確認)
市は県からの受水量を抑え、自己水源の地下水を増やした
ここで、記事の前半で見た「自己水源」が出てきます。
市がとった対応は、公式ページにこう書かれています。
「水質検査の頻度を上げ、監視を強化」。
そして、もう1つがこれです。
「埼玉県からの受水量を抑え、自己水源である地下水を増量」
*さいたま市「埼玉県大久保浄水場の県水における臭素酸の水質基準超過への対応について」から抜粋(2026年8月2日確認)
県から買う水を絞って、自分の井戸から汲む水を増やした、ということです。
さいたま市は、地盤沈下と水需要の急増を受けて、地下水の街から川の水の街へ切り替わりました。
*さいたま市「さいたま市の水道水源」から抜粋(2026年8月2日確認)
それでも深井戸を手放さずに残していたことが、この場面での選択肢になりました。
井戸って、もう使ってないのかと思ってた…!
残してあったんだよね。ふだんは主役じゃないけど、こういうときに切り替えられる。備えって、そういうことなんだと思う。
12月19日に基準未満、24日までの検査で不検出
その後の経過も、市が公開しています。
12月19日(金曜日)には第2報が出ています。
市はここで「水質基準未満になり安全であることを確認した」としています。
さらに、12月24日までの検査で不検出を確認。
そして12月25日には通常運転に戻っています。
*さいたま市「埼玉県大久保浄水場の県水における臭素酸の水質基準超過への対応について」(更新日2026年3月19日)から抜粋(2026年8月2日確認)
採水した12月16日から数えると、12月24日は8日後です。
この間、市は水質検査の頻度を上げ、受水量を調整しながら経過を公表し続けました。
起きたことを隠さずに出し、その後の第2報まで残している。
調べる側からすると、この記録が残っていること自体が確認のよりどころになります。
健康について、さいたま市が書いていること
ここは、当ブログの言葉を足しません。
さいたま市が公式ページに書いている文章を、そのまま引用します。
「臭素酸の水質基準値については、長期的な健康被害を考慮して基準が設定されているため、飲用しても直ちに健康に影響が出るものではありません。」
*さいたま市「埼玉県大久保浄水場の県水における臭素酸の水質基準超過への対応について」から抜粋(2026年8月2日確認)
これはさいたま市の説明です。
当ブログは医療や健康の判断をする立場にないので、市の原文をそのまま置いておきます。
気になる点があるときは、さいたま市水道局の公式ページを確認してください。
年度のまとめに載っている臭素酸の数字は、別に公表されている
ここで、記事の前半で見た表を思い出してください。
令和7年度の市全体のまとめでは、臭素酸は最高0.004mg/L、平均は0.001未満でした。
*さいたま市「さいたま市の水道水質(令和7年度)」から抜粋(2026年8月2日確認)
いっぽう、12月に埼玉県大久保浄水場の県水で検出されたのは0.019mg/Lでした。
*さいたま市「埼玉県大久保浄水場の県水における臭素酸の水質基準超過への対応について」から抜粋(2026年8月2日確認)
この2つは、別々に公表されている数字です。
当ブログは、この2つを結びつけて説明することはしません。
どちらか一方でもう一方を打ち消したり、理由づけしたりできる材料が、公表資料の中にないからです。
公表されているとおり、2つの事実として並べておきます。
それでも気になるときの対処
ここまで見てきたように、さいたま市の水道水そのものは、市が「基準に適合している」と案内している水です。
それでも「なんだか味やにおいが気になる」というときは、原因を2つに分けて考えると整理しやすくなります。
1つは建物の設備、もう1つはにおいそのものです。
建物の貯水槽や給水方式
1つ目は、マンションやアパートの貯水槽(受水槽)です。
建物によっては、水道の水をいったんタンクにためてから各部屋に送る方式が使われています。
このタンクの管理は建物の所有者・管理者の担当です。
さいたま市は、受水槽の有効容量が10立方メートルを超えるものを「簡易専用水道」として整理し、受水槽・高置水槽について「毎年1回以上定期の掃除」を求めています。
*さいたま市「貯水槽水道の管理」から抜粋(2026年8月2日確認)
10立方メートル以下の小規模貯水槽水道についても、市は「簡易専用水道と同様にするよう努めてください」と案内しています。
さらに、市は「計画的に無料の訪問点検を実施しています」とも書いています。
*さいたま市「貯水槽水道の管理」から抜粋(2026年8月2日確認)
不安なときは、建物の管理会社や大家さんに「貯水槽の清掃はしていますか?」と聞いてみると安心です。
なお、最近は貯水槽を使わず、配水管の水を直接各戸に届ける「直結給水方式」の建物も増えています。
さいたま市は、直結給水方式にすると「新鮮な水が配水管から直接給水されます」と案内しています。
*さいたま市「直結給水方式をお勧めします」から抜粋(2026年8月2日確認)
においが気になるときの、さいたま市の公式回答
2つ目は、においそのものです。
さいたま市は「水質に関するよくあるお問合せ」というページで、塩素のにおいが気になる場合の対処を紹介しています。
まず、塩素についての市の説明です。
市は、水道水は衛生上の観点から塩素消毒が法律で義務付けられているとしたうえで、塩素臭は「水道水が病原菌等の汚染から守られた安全な水である証拠」だと書いています。
*さいたま市「水質に関するよくあるお問合せ」から抜粋(2026年8月2日確認)
そのうえで、においが気になる場合の方法が2つ紹介されています。
1つ目は冷やすことです。
市は「10〜15度に冷やすとにおいを和らげることができます」と書いています。
2つ目は煮沸です。
市は「煮沸したらフタを取り、弱火で5分ほど煮沸するとにおいを取り除くことができます」と説明しています。
ただし、ここには市からの注意がついています。
煮沸すると「消毒効果がなくなり、雑菌が繁殖しやすくなります」ので「お早めに飲用してください」と市は案内しています。
*さいたま市「水質に関するよくあるお問合せ」から抜粋(2026年8月2日確認)
煮沸したなら、その日のうちに使い切る。
これが市の案内どおりの使い方になります。
なお、埼玉県の水道水が夏にかび臭くなる仕組みについては、記事の前半で見た草加市のFAQが参考になります。
かび臭やカルキ臭など、水道水が「まずい」と感じる理由と対策は、別の記事でもくわしくまとめています。
▶ 浄水型ウォーターサーバーがまずいと感じる理由|公式の対処法つき
おいしく飲む選択肢を、お金のかからない順に
ここまでで、さいたま市の水道水がどんな水かは見えてきたと思います。
最後に、選択肢をお金のかからない順に並べておきます。
まずは冷やす(0円)
いちばんラクでお金もかからないのが、冷やすことです。
さいたま市も「10〜15度に冷やすとにおいを和らげることができます」と案内しています。
*さいたま市「水質に関するよくあるお問合せ」から抜粋(2026年8月2日確認)
水道水をボトルに入れて冷蔵庫で冷やしておくだけなので、今日からできます。
お金をかける前に、まずここを試してみてください。
ただし、冷蔵庫に入れっぱなしにしないことだけ気をつけてください。
浄水ポットを使う(月数百円)
もう少し手軽においしくしたいなら、浄水ポットという選択肢があります。
水道水を通すだけで、においのもとをこし取ってくれる道具です。
費用はカートリッジ代くらいで、交換の頻度にもよりますが月数百円ほどが目安です。
夏のにおいが気になりやすい地域では、においを減らせる浄水系は相性が良い選択肢になります。
一人暮らしがどんなふうに飲み水を用意しているのか、リアルな選択肢を知りたい人は、こちらの記事も参考になります。
▶ 一人暮らしの水どうしてる?4つの選択肢を月額実費で正直比較
手間をかけたくないなら浄水型ウォーターサーバー
カートリッジ交換すら面倒で、冷水も温水もすぐ使いたいなら、浄水型ウォーターサーバーという選択肢もあります。
これは水道水をそそぐだけで、内蔵フィルターを通した水を冷水・温水で使えるタイプです。
ボトルを注文して運んだり、ゴミを出したりする手間がないのが特長です。
ただし本体の月額がかかるので、「水道水そのままで十分」な人には必ずしも必要ありません。
浄水型ウォーターサーバーが自分に合うかどうかを、料金を実費で比較して判断したい人は、次の記事でくわしく解説しています。
▶ 浄水型ウォーターサーバーのデメリット全部見せ|後悔しない選び方
まとめ:さいたま市の水道水はそのまま飲める。「まずい」は改善の途中
最後に、この記事の答えを整理します。
さいたま市で暮らす人が水道水をそのまま飲むことは、水道事業者の案内をふまえると問題ないと考えられます。
さいたま市は水質検査結果のページで「水道法で定められた基準に適合していますので、安心してご利用ください」と案内しています。
*さいたま市「水質検査結果(年度別)」から抜粋(2026年8月2日確認)
硬度は、令和6年度の配水場ごとの平均で47〜77mg/L、令和7年度の市全体の平均で65mg/Lでした。
*さいたま市「さいたま市の水道水質(令和7年度)」から抜粋(2026年8月2日確認)
基準の300mg/L以下を大きく下回り、WHOの区分では「軟水」から「中硬水」にあたります。
*環境省「水質基準項目と基準値(52項目)」から抜粋(2026年8月2日確認)
「まずい県ランキング」の正体は、水質検査の順位ではなく、20〜59歳の人に感想を聞いた調査でした。
そして埼玉県自身の調査では、81.3%が水道水の飲用に満足と答え、不満の理由の63.4%が「味やにおい」でした。
夏のかび臭を減らす高度浄水処理は、新三郷浄水場で稼働し、さいたま市に水を送る大久保浄水場ではいま工事が進んでいます。
2025年12月には、その大久保浄水場の県水で臭素酸の基準超過が起きました。
市は受水量を抑えて自己水源の地下水を増やし、12月24日までの検査で不検出を確認しています。
そのうえで、多くの一人暮らしは、水道水そのままか、月数百円の浄水ポットで十分です。
- ①水道水そのまま … 0円・においが気にならない人はこれでOK
- ②冷やす … 0円・市も「10〜15度に冷やすとにおいを和らげることができます」と案内
- ③浄水ポット … 月数百円・夏のかび臭やカルキ臭を手軽に減らしたい人に
- ④浄水型ウォーターサーバー … コスパは要検討・冷水も温水も毎日使う人に
まずは今日、蛇口の水を冷蔵庫で冷やすところから試してみてください。
それだけで「さいたま市の水道水、意外といけるかも」と感じられるかもしれません。
さいたま市の水は「基準に適合しているのは今もそう、味は改善の途中」なんだ。まずは水道水か浄水ポットで様子を見て、それでも冷水・温水を毎日たっぷり使いたくなったら、サーバーのコスパだけ確認しておこう!
浄水型ウォーターサーバーが自分に必要か・不要かを、料金を実費で比較して判断したい人は、次の記事をどうぞ。
▶ 浄水型ウォーターサーバーのデメリット全部見せ|後悔しない選び方
同じ利根川水系の水を使う、千葉の水道水も検証しました。